はじめに
今回は考えるOLさんの『がんばらないことをがんばるって決めた。』についての書評を書いていきたいと思います。
私自身、昔から何かを頑張りすぎた結果として、精神疾患になったり、物事が上手く進まなかったりしてしまうことがあるため、何か学びを得ようとこの本を手に取りました。
大枠の主張は本の題名の通り「がんばらないことをがんばる」というものになります。力を抜いて、自然の流れに逆らうことなく脱力していくという老荘思想と類似した考えのような気がしました。
個人的に惹かれた文章の一節をいくつか紹介しながら感想を述べていきたいと思います。
感想
人生って、ほんと難しいよね。幸せになろうとすればするほど、なぜだか不幸に近づいているし、がんばればがんばるほど、なぜだか空回っている。
『がんばらないことをがんばるって決めた。』(考えるOL著)
道しるべがない世界だからこそ、私達は足掻きながらでも試行錯誤して生きていかなければならない。正解がないからこそ、正しいと思った道を歩んでも、間違いを選択してしまうこともある。そうやって繰り返していくうちに、不幸の泥沼へと歩みを進め、行きたかった場所とは反対の方向に向かっていることもある。人生は本当に難しいのだ。この文章には非常に共感を抱いた。
人生は孤独だ。だからこそ、誰かに認めてもらうより、まずは自分で自分を認められれば強い。そのためには、自分の心に芽生えた小さな興味や意思を大切に拾い上げて、きちんと育てていけばいい。誰かの役に立たなくても、社会のためにならなくても、他人から憧れられなくても、それでもいいんだ。
『がんばらないことをがんばるって決めた。』(考えるOL)
親や友達、恋人などあらゆる他者との繋がりを人間は持つ一方で、その他者は結局のところ他者に過ぎない。自他は同一にはならないがゆえに、私たちはみなが孤独を抱えている。だからこそ、他人から認めてもらうことより前に、まずは自分を認められるようにしていたい。承認の自給自足ができるようになれば私たちは孤独に耐えることだってできるだろう。
人の考えや感情は、思っている以上に複雑。すべての言動に意味があるとは限らないし、たとえ意味があったとしても自分と同じ感情の理論を持っているとは限らない。だから、目に映ったすべての言動を、悪意があると決めつけてしまうのはとっても危険なことだ。相手を傷つけることもあれば、自分の心までも無意味に傷つけてしまうこともある。目に見えるすべてを、自分の感情と行動の理論に結び付けて、相手を分かったような気分になり、勝手に落ち込むのはもうやめにしよう。
『がんばらないことをがんばるって決めた。』(考えるOL)
前提論として自分と他者は全くもって異なる存在である。だからこそ、自分という一視点から他者を理解しようとするのは傲慢であり、自分の考えが他者の考えと同一であるとは限らない。同じ視点で他者について考えれば、齟齬が生まれ、勝手に自分が傷ついたり、苦しくなったりする。だから自分の思考パターンを他者に当てはめるのはやめにしよう。
終わりに
頑張りすぎてしまって疲れてしまう人や頑張ることに疲れてしまった人の心の休憩所としての役割を果たせるような本になったおりました。いろいろしんどいことはありますが、無理せずに頑張っていきましょう!
コメント